各務原鵜沼のエリアの歯科 ムトウ歯科医院

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コラム

子供のころから習慣づけたい口・歯のこと

コラム

2019.05.01

虫歯になった、歯がグラつく、痛がる…こんなことをお子さんが訴えたら歯医者さんに行くのは当たり前のことですよね。

今は、痛くない時・何もない時にもお子さんの予防のために歯医者さんに行く時代になっています。

今回は、お子さんが小さいときにこそ習慣づけたい歯やお口のこと、そして歯医者さんとの関わり方についてお話します。

 

①乳歯が生え始めた頃

生後6~8カ月ごろから乳歯が生え始めます。この時期の歯のケアは乳歯用の小さな歯ブラシで磨くか、湿らせたガーゼを指に巻いて歯を磨いてあげるとよいでしょう。

1歳ころになると前歯がだいぶ生え揃います。この時期に最も注意したいのが、乳離れのタイミングです。お母さん的には寝つきをよくするためになるべく長く授乳をしていたいところですが、お子さんの虫歯予防の面からみるとこれぐらいの時期に卒乳するのがベストです。夜間、唾液の量が減ると虫歯菌の活動が活発になるので、いきなり卒乳は難しいというお母さんは、夜間断乳から始めてみるとよいでしょう。

離乳したお子さんが落ち着くからといって絶えず哺乳瓶でミルクやスポーツドリンク・ジュースを与えるのもかなり危険です。

歯科の専門用語に、『哺乳瓶う蝕(虫歯)』という言葉があり、哺乳瓶で糖分を摂取することにより、前歯にできる虫歯のことをこう呼びます。

寝つきをよくするために哺乳瓶で何かを飲ませたい場合は、その前にしっかり歯を磨いて、お茶かお水を与えるようにしましょう。

歯ブラシに興味を持ち始めたら、積極的に自分でさせてあげてください。咥えたまま歩き回らないようにお風呂などでやらせてあげるのがよいでしょう。

無理やり磨くだけだとお子さんも嫌がります。お子さんの方から『磨いて』と歯ブラシを持ってくるようになるのが理想です。

 

②1歳半頃~

各務原市では、1歳半検診で初めて歯科検診があります。この頃には乳歯20本のうち10本程度の乳歯が生えている状態です。

歯と歯の間がつまっている子には、フロスの使用をお勧めしています。持ち手がついた糸ようじで歯磨き前にやってあげましょう。30秒程度でできるので仕上げ磨きのついでに習慣にしましょう。仕上げ磨きの際、注意したいのが、上唇小帯と呼ばれるヒダです。上の唇と歯茎を結ぶヒダが、前歯と前歯の間まで入り込んでいる場合があります。仕上げ磨きの際に、知らずにこのヒダを磨いてしまうとお子さんはかなり痛がります。このせいで歯ブラシ嫌いになる子も多いので、避けるように磨いてあげましょう。

夜寝る前の歯ブラシは、いくらお子さんが眠くてグズグズ言おうが、必ずしてあげることがお子さんのために大切です。

各務原市の1歳半歯科検診ではフッ素塗布の受診券がもらえます。今まで一度も歯科医院にかかったことのないお子さんはこの機会に一度受診してみましょう。最初は怖がるかもしれませんが、痛いことをしなかった・怖くなかったという経験をすると受診するたびにだんだんと慣れてきてくれます。いざ治療が必要となった時も治療がしやすくなります。『歯医者さん=怖くないところ』と思ってもらうことが必要です。

市販のフッ素入りの歯磨きジェルを使用するのも虫歯予防には効果的です。まだうがいができない子には、飲み込んでも問題ない低濃度のフッ素入りの歯磨きジェルなども歯科医院で取り扱っています。

歯科医院で塗るフッ素の濃度は9000ppmといって、市販品の500~1500ppmの濃度と比較しても高濃度のため、3カ月~半年ごとに定期的に受診して虫歯のチェックとともにフッ素を塗ってもらい、歯を強くしてあげましょう。

 

1歳半検診などでは、『指しゃぶり』と『歯ぎしり』について相談されることがよくあります。

私自身の考えでは、どちらも全く気にする必要はないと思っています。

指しゃぶりは、お子さん自身が心を落ち着かせるためにやっているもので、成長とともに自然としなくなります。永久歯に生え変わる頃の指しゃぶりは歯並びに影響しますので、すぐにやめないといけないのですが、この頃には本人としっかりお話をすれば理解できる年齢になっていますので、やめさせることも難しくありません。

子供の歯ぎしりは、成長の過程でよくみられるものです。生えたばかりの乳歯を無意識のうちに使う練習をしている・かみ合わせを調整しているためだと言われております。2割ぐらいの子供が歯ぎしりするといわれていますし、私の息子も隣で寝ていて目が覚めるぐらい激しい歯ぎしりをしていましたが、6歳になった今ではほとんどしなくなりました。

 

③乳歯が生え揃う頃

2歳半~3歳頃に、乳歯20本が全て生え揃います。生まれつき歯の本数が足りない(先天性欠如)、2本の乳歯がくっついている(癒合歯)などの個人差はありますので心配な方は、歯科医院でみてもらいましょう。

これぐらいになるとお菓子を食べることも多くなります。食べたまま寝る・時間を決めずに好きな時に与えるといったことは、虫歯の大きな原因になります。

虫歯になりやすいおやつは、

・砂糖が多く含まれるもの

・食べ終わるのに時間がかかるもの

・歯にくっつきやすいもの

です。具体的には、アメ・キャンディ・キャラメル、クッキー・ビスケット・ケーキ・チョコレートなどです。

逆に、なりにくいおやつは、アイスクリーム・プリン・ゼリーなどのすぐに食べ終わり歯にくっつきにくいもの。せんべいやナッツ類も虫歯になりにくいおやつといっていいでしょう。

当然これぐらいになったら、朝と夜には必ず自分で歯磨きをするという習慣をつけないといけません。仕上げ磨き・フロスも必ずしてあげてください。フロスの習慣がないのは先進国では日本だけといわれています。欧米ではフロスは歯磨きの一部としてごく当たり前の習慣になっているのです。

特に奥歯の間は食べ物が挟まりやすく、子供自身では磨きにくいため、虫歯になりやすいです。まして奥歯は、小学校高学年ころまでは使う歯ですので注意が必要です。

 

おやつだけでなく食事の形態も重要です。現代っ子は、米食よりもパン食が多く、硬いものを好まず柔らかいものをよく食べるために、よく噛むということができていません。その結果、顎が十分な成長をせず、歯が生える十分なスペースが得られないため、歯並びが悪くなり、矯正が必要になるケースが多くみられます。よく噛んで食べる習慣を身につけるためにも、1日1回は最低でもご飯を食べさせてあげる、おかずも細かく切ってあげるのではなく、多少噛み応えがある大きさで食べさせてあげることも必要ではないかと感じています。

 

 

次回は乳歯が抜け始める5歳頃~のお話をさせていただきます。