■14:00〜19:00▲14:00〜18:00
※訪問診療のため16:00~16:30は外来診療を行っておりません
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コラム
2018.03.31
元気いっぱいの子供たちにとってケガはいつも隣り合わせのトラブルです。
今回は歯のケガについてお話します。急なケガにも落ち着いて、また正しく対応できるように参考になればと思います。
お子さんのケガで最も多い原因は圧倒的に転倒です。データ的には乳歯だと1~3歳頃に、また永久歯だと7~9歳頃に集中しています。
男の子に多く、歩き始める頃、走り始める頃、怖いもの知らずで遊ぶ低学年の頃に多いということです。
当院においては、そういった年齢のお子さんの他に、スポ少や部活動時に受傷した小学校高学年~中学生のお子さんが比較的多いと感じます。
お子さんが転んだりして、歯が欠けたり、痛がったり、血が出ている場合、保護者の方や、部活などの責任者の方は迷いなく歯科医院を受診されます。
しかし、そうでない場合は受診するのをためらってしまうのではないでしょうか。
出血や痛みがなく見た目には問題なさそうに思えても、歯の根っこや神経、骨などの見えない部分にダメージを受けていることもあります。
また、受傷直後は痛みがなくても、食事の際や、寝ている時に痛みが出てくることもありますので、勝手に大丈夫だと判断せずに速やかに歯科医院を受診されることをおすすめします。
では、急に歯をケガした時に、どこに気を付けて見たらよいのか、またどのように対応したよいのかを簡単に説明します。
適切な対応を理解し、万が一の時に慌てず行動できるようにしましょう。
*まずは必ず全身のチェック*
歯をケガしているからといって脳や目にダメージがないとは限りません。以下のような症状がでた場合は歯科ではなくまずは医科に受診しましょう。
ふらつく・頭が痛い・目が見えない・鼻血が止まらない・吐く・目の焦点があっていない・記憶障害がある
自分で意思を示せない小さなお子さんの場合は、すぐに泣かずにぼーっとしている・食欲がない なども注意してみてあげてください。
①歯が抜けた場合
抜けてしまった歯は、早ければ早いほど植えなおせば元に戻る可能性があります。乳歯は戻すことは基本的にありませんが、永久歯の場合は3時間がゴールデンタイムと呼ばれ、治療の成功率が高まります。抜けた歯をどのようにして歯科医院にもってくるのかも非常に重要です。抜けた歯に土や汚れがついていても水道水で洗うのは絶対にNGです。塩素が含まれるため歯の周りの組織をダメにしてしまいます。洗ったりせずに乾燥しないようにビニールやラップで包んで速やかに受診してください。市内の幼稚園や小中学校には各務原市歯科医師会から配布している歯の保存液がありますのでそこに入れて受診されるのが良いでしょう。ない場合は牛乳やコンタクトレンズの保存液で代用しても構いません。*乳製品アレルギーのお子さんには牛乳は使用できません
②歯が欠けた場合
歯のかけらが見つかれば、抜けた時と同様に乾燥させずにお持ちください。また、大きく欠けている場合は時間がたつにつれ痛みがかなり強くなってきますので、一晩様子を見て、、とは思わないでください。
③出血している場合
まずは傷口を清潔なガーゼなどでぎゅっと押さえて止血します。唇は腫れやすいので早めに冷やすほうがよいでしょう。止血していても傷口に汚れが残っているといけないので、歯科医院で充分に洗浄してもらいましょう。大きく切れている場合は、傷跡が残りにくいように縫うこともあります。
④噛むと痛い、ぐらぐらする
まずは歯を支える骨の骨折、歯の根が折れている、歯が脱臼しかけている、などが考えられます。
レントゲン撮影など詳しい検査が必要ですので、噛んだりしないよう安静にして受診してください。かみ合わせを調整したり、ぐらぐらの歯を固定することがあります。
上記のような症状がなくても、自分で勝手に大丈夫だと判断してしまうのではなく、一度専門的な立場からチェックすることが必要です。
また歯科医院を受診し、経過観察でよいといわれても、状態によっては、数カ月経過してから歯の神経が死んでしまったり、急な痛みがでてくる場合もありますので、最低でも受傷後半年~1年は定期検診をうけると良いでしょう。